村上家の朝�� ページ19
〜辰愛SIDE〜
「そろそろ翔太起こさなきゃ、パン任せていい？」
「うん、翔太のはバターでいい？」
「うん、私もバターで」
そうお願いしながら２回目のパンをトースターにセットしてから、寝室に翔太を迎えに行く。
「翔太〜そろそろおっきしようか〜？」
「ｚｚｚ…」
ま、普通に声かけただけじゃ起きないよね。
「翔太〜今日は何するんだっけ？」
「んぅ……りょ…と、あしょ…」
「そうそう、涼太くんと遊ぶならおっきしようか？」
そう声をかければ目は閉じたまま手を差し出してくる。
「かぁいいんだから♡」
そろそろ自分で起こして歩かせるべきなんだろうけど、可愛い過ぎて拒めない。
私は翔太を抱っこすると洗面所へと向かった。
濡らしたタオルで顔を拭き、軽くうがいをさせれば流石に翔太の目も覚めた。
「おはよ、ママ」
「おはよう、翔太」
挨拶をしてから手を繋ぎキッチンへと向かう。
「おはよう、翔太」
「パパ、おはよー」
バターを塗る手を止め、駆け寄る翔太を抱っこするラウ。
「ありがとう、朝ご飯にしようか」
「うん、お腹空いた」
朝から作業をするラウは相当お腹が空くみたいで、作業前にも前日に作り置きしたおにぎりと味噌汁を食べて、皆で食べる朝食もしっかり摂る。
なのにモデル顔負けの体型なのは何でなんだろう………羨ましくなんてないんだからっ！
「じゃあ、翔太」
「おててをあわせて〜いたらきま〜th」
「「頂きます」」
椅子に座り、恒例の翔太の挨拶をしてから朝食を摂る。
「おいし〜」
「美味しい、ママのご飯最高だよね」
「ありがとう」
ちゃんと褒めてくれる優しい旦那と息子がいて私は幸せ者だわ。
「あ、翔太？野菜も食べてね？」
「やっ、いなない！」
どうも翔太は野菜嫌いみたいで、トーストとオムレツはぺろりと食べたのに野菜だけが綺麗に残されてる。
「野菜さんが食べてくれないの〜？ってえんえんしてるよ？」
「少しでもいいから食べよう？はい、あ〜ん」
ラウがあやす間に私が翔太の野菜をフォークに刺して口元に運ぶけど、翔太は頑なに拒否をする。
「仕方ないな、翔太が食べないなら…パパ、あ〜ん」
「あ〜ん、美味しい！」
「もっと食べる？」
「うん、翔太のお野菜全部パパが食べるね」
見せつけるようにラウの口元に野菜を運べば、翔太が慌てて私の手を掴んだ。
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作者名：桜桃と氷那と雛
x他3人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=inarlove
作成日時：2024年3月1日 21時
