青春をもういちど― SnowMan ― (ページ13)

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村上家の朝① ページ13

〜ラウールSIDE〜

『pi…pi…』

そこまで大きくない機械音が耳に届き、直ぐに手を伸ばし目覚ましを止める。

目を開けて横を見れば気持ちよさそうに眠る愛しくて綺麗な寝顔と俺と辰愛の間でヨダレを垂らしながら幸せそうに眠る顔。

「ふふっ…２人共可愛いな」

枕元のティッシュで翔太のヨダレを拭き、上半身を伸ばし辰愛の頬に軽くキスをする。

それから静かにベッドを抜け、作業着に着替え寝室を後にする。

洗面所で身だしなみを整え、キッチンで昨日の夜に辰愛が作り置きしてくれたおにぎりと味噌汁を温めて、軽く食事を取ってから作業場に向かう。

機械に手伝って貰いつつ、予約や店舗分の団子の仕込みをする。

『pipipi…』

作業場に響くアラームに、俺はキリの良い所で手を止めると辰愛と翔太と朝食を食べる為に自宅である２階への階段を登った。

〜辰愛SIDE〜

『PiPiPi…』

控え目な機械音に薄っすらと目を開け、手探りで発生源を探す。

手に当たった目覚ましを止めて、二度寝の誘惑を振り切って体を起こす。

起きて最初にするのは隣にいる天使の寝顔の確認。

旦那に似て可愛らしい顔をして眠る愛息子の翔太。

ムニュっとした口をたまにモゴモゴさせてすやすやと眠っている。

まあ、今まで目覚ましで起きてしまった事はないけど念の為にね。

しっかり眠っている翔太の頭をそっと撫でてから、音を立てないように服に着替えて寝室を抜け出す。

洗面所で身支度を整えてから夜の内に洗っておいた洗濯物を干して、そのまま掃除へと移行する。

掃除をしながらチラッと作業場を覗けば、愛しい旦那が真剣に仕込み作業をしていた。

邪魔をしないように少しだけその横顔に見惚れてから、掃除を再開させる。

掃除を終わらせれば朝食作り。

旦那が戻ってくるまでにさっさと作っちゃわないとね。

「今日はパンにしようかな…」

トースターなパンをセットし、チーズを入れたオムレツを野菜を乗せた皿に盛り付けて、っと。

「おはよう、辰愛」

「ふぎゃっ!?」

突然背後から抱き締められて変な声が出た。

「キャハハ、変な声」

「誰のせいよ！…おはよう、ラウ」

「ラウ？」

「…真都」

「正解♡」

そう言いながら軽くキスをしてくるのが旦那のラウール。

２人きりの時には真都って呼ばないとちょっと拗ねるんだけど、それが可愛いからたまにラウ呼びしちゃうのは内緒。