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「ちょっとまって、翔太って、え?俺の知ってる翔太?」
『うん、あれ…言ってなかったっけ』
「いや何をよ」
『仲良しなの、照くん経由で』
嘘ではない。
たまたま1人で入った居酒屋で、
照くんと翔太くんにあって、そこからよく話すようになった。
お互い男女の交友関係にどうこういうこともなかったし、
そういう点では興味が無いと思って、何も言わなかった。
「んー、取り消しね、やっぱダメ」
『……へ?』
「とか言ったら、おねーさんは行かずに家、いてくれる?」
ゲーム機を置いて、ソファに座る私の方に振り返る。
背もたれにゆっくり片手を付きながら
空いた方の綺麗な指先が私の顎をなぞった。
彼の膝に押されてソファが重く沈んで、
私の背も思わず後ろに下がる。
『どうしたの、辰哉くん』
「……なぁんかさ、気に食わねー」
『え、なにが』
「俺に黙って、しょーたと勝手に仲良くなったんだ?」
そんなこと、いつも言わないじゃん。
飲み会?いっといでよぉ〜なんて
ヘラヘラ笑って送り出すだけじゃん。
『な…かよくなったっていっても、友達だし、』
「アイツ、面食いだからわかんないよ?」
『……辰哉くん、おこって、る?』
んー……と少しの間考え込んだ後、
怪しく上がった彼の口角。
「お兄さん、実は怒ってるかも。…ね、どーしよっか」
『……!』
私の答えなんか聞かずに、噛み付かれた唇。
(俺、好きな子はデロデロにしたいタイプだから)
(……ばか)
(ふは、かあいいね)
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作者名:蒼 | 作成日時:2024年2月25日 20時