暗涙 ページ9
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吹っ切ったら意外と隣の彼との会話は弾んだ。
『え？Aも星好きなの？』
「星が好きっていうより夜の空が好き。ぼーっと見てると落ち着く。
貴方は星が好きなの？」
『…その貴方って呼び方嫌なんだけど』
ちょっとすねた顔がちょっと可愛いと思ってしまった。
「こんなとこで名前なんて呼べないでしょ。バレたらどうすんの。」
『…蓮って呼んでよ。』
「話聞いてた？呼ばないってば」
『意外と誰も聞いてないよ。ほら、蓮って』
「やだ。」
『じゃあ、めめ。』
「もっとやだ。」
『えー。』
上目遣いで見つめられるけど、こちらは折れる気はない。
済ました顔でグラスを傾ける。
隣の彼から視線を外し、りっちゃんがいるだろうステージへと目線をやる。
ボルテージ最高潮と言ってもいいような熱気を感じる。
(もうすぐりっちゃん戻ってくるかなぁ)
ステージで飛び跳ねる男性を見ていれば、二の腕を引かれ強制的に向きを変えられる。
「何？」
『俺以外を見てるのがムカついた。』
「…子供か。って言いたいけど会話の途中で別の場所見るのは失礼だったね。ごめん。」
素直に謝れば、ちょっとだけ驚いた顔してすぐに嬉しそうな笑みを浮かべる。
『ねぇ、連絡先教えて？今日で終わりにしたくない』
「…君はほんとに真っ直ぐな人だね。でも、そんなに安々と連絡先教えちゃだめだよ」
彼の携帯に手を添えて、下げろと押し返すがそれが動くことはない。
『誰でもいいわけじゃない。チャンスは逃したくないんで。』
まっすぐに目を見てそう言われるのと、さっきまで用意してたはずの陳家な断る理由が口からうまく出てこない。
ふと頭に辰哉の顔がよぎる。
(どうしよう…)
自分の携帯をポケットの中で握りながら悩んでいると、よく知る香水のにおいとともに綺麗な手が彼の携帯に影を作った。
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のん(プロフ) - とても面白い小説ではまってしまいました。主人公の気持ちがとても切なく、共感できる素敵な主人公だなと思います。どんな結果でも幸せになってほしい！これからも応援してます。 (3月15日 16時) (
レス) id: d13a90d6ad (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。思いあってるのにすれ違ってる2人も、彼女のことを考えてくれる目黒くんも、立場を考えると切なくなります。深澤担ですが主人公がしっかりとしてるのに、段階を踏んで目黒くんの優しさに触れていく過程が素敵でした。続き楽しみにしてます。 (3月15日 4時) (レス) @page38 id: 3a34fd6c9d (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！続きがとても楽しみです！ (3月13日 22時) (レス) @page38 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年3月3日 21時
