喧騒 ページ6
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［あー！もう、鬱陶しい！］
「まぁ、まぁ」
眉間に深いシワを作り、前髪をかき上げる隣の彼女をなだめているのは、未だベラベラと喋り続けるこの男達のせい。
ーーーーー
ーー
人の波を掻き分け、やっとの思いでドリンクカウンターまで辿り着き飲み物を注文するりっちゃんをボーっと見ている。
スタッフさんから手渡されたグラスをそのまま私差し出す。
[甘くないのでいいよね？]
コクリと頷けばまた手を引かれ、端に設置された小さなバーカウンターの高いスツールに座らされる。
[こんだけ人が多かったら、酒に酔う前に人酔いしそうね。]
「そーだね…」
ここに来た目的達成の前に、すでに疲れた顔をしているお互いの顔を見てちょっとだけ苦笑い。
りっちゃんがくれたドリンクを飲めば、私好みの甘くないさっぱりした味が心を少しだけ落ち着けてくれた。
他愛のない話をして、グラスを傾けて。
その時までは良かったんだけど…
〈えー、ふたりとも美人！一緒に飲まない？〉
〈何飲んでんのー？なんか奢ろっか？〉
次から次にやって来る男性たち。
最初は愛想良くお断りしてたりっちゃんも、流石に苛ついてきたらしく「身の程を知れよ。」絶対零度の一発。
蜘蛛の子をちらしたように、気持ち広くなった自分たちの周り。
そして冒頭に戻る。
また二人で話しているとステージがある方から大きな歓声。
小さく見えるのは、スポットライトに照らされてギラギラのサングラスをかけた男性。
[出てきた！]
どうやら彼が今日の目的の人らしい。
キラキラした目で彼を見つめるりっちゃん。でも、席から立つ様子はない。
「前に行ってきたら？」
ここでも見えなくはないが、やはり遠い。
せっかく来たんだから、と言うが苦い顔を返される。
[Aを一人で置いていけない]
「子供じゃないんだから大丈夫！それに、これ目的に来たんだから、気にせず行って来て？あたしはここでじっとしてるから。」
未だにうーんと悩むりっちゃんを無理やり立たせ、
「何かあったらすぐ連絡するから！ほら！行ってきて！」
心配の色を隠せない様子の彼女だったが、笑って見送れば「すぐ戻るから！」と人の波の中に混ざっていった。
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のん(プロフ) - とても面白い小説ではまってしまいました。主人公の気持ちがとても切なく、共感できる素敵な主人公だなと思います。どんな結果でも幸せになってほしい！これからも応援してます。 (3月15日 16時) (
レス) id: d13a90d6ad (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。思いあってるのにすれ違ってる2人も、彼女のことを考えてくれる目黒くんも、立場を考えると切なくなります。深澤担ですが主人公がしっかりとしてるのに、段階を踏んで目黒くんの優しさに触れていく過程が素敵でした。続き楽しみにしてます。 (3月15日 4時) (レス) @page38 id: 3a34fd6c9d (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！続きがとても楽しみです！ (3月13日 22時) (レス) @page38 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年3月3日 21時
